レクイエム#2
よくもまぁ、こんなサイバースペース、サーバディスクの塵芥みたいなポンコツブログを抹消しないまま置いといてくれるとは! 生ものじゃないから腐臭を放つことはないにしろ。
前回が訃報の話だったから、今回もまた。
20年前の8月5日、澁澤龍彦が死んだ。喉頭癌に冒された気分を「珠を呑んだ」と表現してたけど、どんな珠だったのか。
「高丘親王航海記」にも同じようなシーンが展開されてたけど、呑んだのは登場人物の薬子だったか御子だったか、いずれにせよ真珠のような柔らかで滑らかな珠だったような感が記憶の底にある。
彼が呑んだのは、もちろんもっと無機的で固くてちょっと喉につかえるような球体だったに違いない。
だって彼が好んだものがそんなものだったから。だから龍は掴み持った珠をつい口の中に含み、呑み込んじゃったんだろう、赤ん坊がするように。
そうか、もう20年になるか。あの日以来、僕は髪の毛を切っていません。別に理由はないし、毛先が痛めば美容院に行ってちょっとつまんでもらったりしてるけど。
今じゃ肩甲骨の下辺りからもうそれ以上は伸びません。きっと毛根が老いて、そのくらいになると髪の重さに耐えきれず、抜け落ちていくからなとも考えたりして。
生きている人間には20年という歳月はあまりに長く、僕はただ老いていく。
前回が訃報の話だったから、今回もまた。
20年前の8月5日、澁澤龍彦が死んだ。喉頭癌に冒された気分を「珠を呑んだ」と表現してたけど、どんな珠だったのか。
「高丘親王航海記」にも同じようなシーンが展開されてたけど、呑んだのは登場人物の薬子だったか御子だったか、いずれにせよ真珠のような柔らかで滑らかな珠だったような感が記憶の底にある。
彼が呑んだのは、もちろんもっと無機的で固くてちょっと喉につかえるような球体だったに違いない。
だって彼が好んだものがそんなものだったから。だから龍は掴み持った珠をつい口の中に含み、呑み込んじゃったんだろう、赤ん坊がするように。
そうか、もう20年になるか。あの日以来、僕は髪の毛を切っていません。別に理由はないし、毛先が痛めば美容院に行ってちょっとつまんでもらったりしてるけど。
今じゃ肩甲骨の下辺りからもうそれ以上は伸びません。きっと毛根が老いて、そのくらいになると髪の重さに耐えきれず、抜け落ちていくからなとも考えたりして。
生きている人間には20年という歳月はあまりに長く、僕はただ老いていく。
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